« 2010年3月 | トップページ | 2010年5月 »

2010年4月

M氏のこと

低音で響きのあるM氏から初めて電話が入った。「○○のMです。日曜日に青紅葉を見に行きましょう、○時のバスに乗りますからご都合がよろしければ来てください」それだけで切れた。ホンの数秒、こちらはひと言の返答もできない、呆れた人である。そして当日の朝、下駄を飛ばしておまじないをしたら、表が出たから気を良くして出かけました。004

洛西大原野でバスを降り山に向かって歩きます。「嫌ですか?山の中は?」あれ、見抜かれたかな?「いいえ」と言ったものの、ホントは嫌でしょうがなかった。だってこんなはずじゃなかった。歩く間のとり方を考えながら随分歩いたから疲れた。「あれが勝持寺(しょうじじ)西行の「花の寺」です。ここは桜も綺麗ですが、青紅葉がいいですよ」無口な人だけど見上げたくなるほどいい声である。朱色の葉をそよがせた山桜に躑躅、目に沁み入りそうな青紅葉を見てゆっくりと山を降りた。「いまから何処に行きたいですか?今度は貴女に付いていきますから」ええ!どうしょう???「河原町に行きましょうか?」ということで繁華街に出ました。

お腹がぺこぺこです。羅生門の前まで来たとき「ここにしましょう」と言って入られた。美味しそうなステーキ^^どきどき!すると「自分はオムライスにします」ええ!そんな!子供やあるまいし・・・羅生門に来て何でオムライスなの?と言いたかったがぐっと押さえて。「じゃ、私も」。かくして記念すべき食事の第1号はオムライスでありました。ずっと後で聞けば、肉屋とは知らなかった由。やはりここでも間のとり方に気をつかった。

017

間のとり方で、こんな記事を読んだことがあります。初対面の人同士が目線を合わさぬ状態であっても膝と膝との間隔が88㌢以内に接近すると「生理的に喚起」が生じる、とのこと。隣同士なら肩と肩の間隔が30㌢以内で、そこに視線交差が加わると、もっと遠くてもこの生理的興奮が生じてしまうそうです。(南久美子の文章から引用)

009

M氏は理系の人である。私の憧れの仕事をしていられる。英字新聞を読んでいる。時々逆さに読んで私をびっくりさせる。植物に詳しい。山歩きもスキーもされる。遠泳も出来る(これ役にたたない、タイタニック号にでも乗っていれば?)それにけっこう短気で大酒豪家で方向音痴ときている。私にないもの、出来ないものばかりだから、憧れても仕方ないであろう???

034

M氏とは思わぬ長いお付き合いだった。あの年も青紅葉が目に沁み土手の透けるようなカスミ桜が咲いていた。そしてお別れの時が来た。ほんにこれからというときに・・・。

木という字を一つ書きました

一本じゃかわいそうだから

と思ってもう一本ならべると

林という字になりました

 淋しいという字をじっと見ていると

 二本の木が 

なぜ涙ぐんでいるのか

よくわかる

ほんとに愛しはじめたときにだけ 

淋しさが訪れるのです

 寺山修司『愛さないの、愛せないの』

021

花まつりの日に、桜の下の小さな花たち

047

きょうは花まつり、子どものころ村のお寺で花御堂が作られお花を捧げてお祝いをしました。

この日、子ども達は一張羅の洋服を着てお寺に行き、柄杓でお釈迦様像に甘茶をかけ、また子どもたちも頂きました。あの甘いとも渋いとも言えない味忘れられません。

そんなことを想い出しながら近くの城址古代植物園 を廻ってきました。どんなお花が咲いているかな?

005

014

ヤマブキの小径と下るとバイモ(ユリ科)がさやさやと揺れていました。まだ殆どの花は眠っているように静かです。

018

白いシジミ花は直径1cmにもみたない小さな花ですが、さすがにバラ科で凛とした八重咲きです。風がやまないから・・・

白に淡いピンクのぼかし入りボケ(木瓜) この花はどうしてボケなんて名前が付いたんでしょう?それに昔からお祝儀に生けてはならない種類として、オニユリ、ヒガンバナ、ボケがあげられるそうです。可哀相に。

027_2

044_2

038

美しい紫の花びらをもつイカリソウ。京都では京北や北山に多いとか。これは薬草、何に効くのかな?殿方さまに幸あれ?白く見えるのは、キバナイカリソウです。

025

純白のミズバショウがひっそりと水辺に咲いていた。まだ生まれたばかりかな。

夏がくれば 思い出す はるかな尾瀬(おぜ) 遠い空 ・・・・・♪ハミングしながら進みますと

ヒトリシズカが、この花もまだまだ幼子です。フタリシズカはまだ眠っているのかな?静は義経の籠の鳥、「静女とユウレイ二人と為り遊舞す」なんて何かで読んだような・・・

036

柔らかなクリーム色の花は、ヒカゲツツジ。秋には葉っぱが赤く色づきとてもきれいです。

028

目の覚めるような美しいシャクナゲ、この植物園のクイーンかも。紅色はまだ蕾でした。

042

046

まあ~!いい住処を見つけんですねスミレさん!高い所から仲間たちが見えるでしょ。

034

園のいちばん奥まったところに五分咲きの山桜、コノハナサクラが居を構えていました。

新種「コノハナサクラ」は全国的にも数10本しか確認されていないといわれる貴重な珍種で、接ぎ木や挿し木をしても、種をまいても原種返りが起こり、繁殖は非常に難しいと聞いています。 こちらでは地酒の銘柄にもなっています。

対岸の堀べりはソメイヨシノが満開。 右側の小島に古代植物園があります。071

カタクリの花を見に

007

ひむがし野に かぎろひの 立つ見えて かへりみすれば 月かたぶきぬ   柿本人磨

気になりだしたら落ち着かない性分、少し早いかな?と思いつつ28日に大和大宇陀に走った。駅を降り、バス停にいくと「又兵衛桜へ行かれますか」と声がかかった。「いやカタクリを見に来たのですが」と言ってはっと気がついた。「又兵衛桜、もう咲いているのですか?」「今年は咲いているのですよ^^」と言うことでシャトルバスに飛び乗った。

なるほど樹齢300年、大河ドラマにも登場した桜だそうで、遠くからでも「あれだな」と判った。まだ五分咲きまではいかないけれど高い石垣の上に豪快なほどの枝垂れ桜が風に揺れていました。

010

038 

031

  028

又兵衛桜を後にしてかぎろひの丘を通り約1時間ほど歩くと静かな町並に「森野吉野葛 本舗」の老舗がありました。ここの裏山に森野旧薬園があり、カタクリの花が咲いているのです。先週から3度も開花情報を得るためにお電話させて頂きました。

吉野葛の晒し工場を通っていよいよ七曲がりの裏山に入ります。急な坂道でしんどいです。あ、咲いてる咲いてる!斜面の半日陰に淡紫色の可憐な花が下向きにささやくように咲いていました。「私が登ってくるのが見えた?」ホント嬉しい~(゚▽゚*)です。

045_2

元禄3年から続いている旧薬草園は現代でも約250種の薬草や鑑賞用植物が生育しているそうです。これからのうららかな季節、清楚な薬草の花が香りたかく咲くことでしょう。きっとまたの日に来るからね。

地元の方とお話することが出来ました。今年は暖かな冬だったとか、道理でこの辺りの桜は殆どが咲いていました。ひと駅向うの室生寺はどうでしょうか?行って見ることにしました。

054

056

室生口大野駅から5分のところに、ここにも樹齢300年という珍しい糸しだれ桜が見事に咲く大野寺があります。20何年か前、花芽のついた3月の時ならぬ大雪で枝が折れて弱っていたそうな。そんな時ある樹医さんとの出会いで蘇ったという。見物客のだれもが黙ってしまうほどに、息を飲む美しさです!

その境内から宇陀川の清流をへだてた対岸が望めます。崖に弥勒磨仏が大きく彫られています。とても清々しいお寺でした。

春山の巨岩弥勒となり給ふ  青畝

063

嬉しい桜との出会い、ほっとする小さな旅でした♪

« 2010年3月 | トップページ | 2010年5月 »